第5回真皇杯を振り返る ~ラストチャレンジ編~

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2019年9月15日、この日が何の日かご存知でしょうか?
この日は七世代最後のホズラッシュ、ラストホズラッシュの開催日でした。
参加資格はシーズン7以降のレート2000越え経験者であること。
さぞハイレベルな大会となったことでしょう。
そんな中、受験の為ログアウトしていたオノノクス界隈の希望の星・シラス太郎くんがこの日のみ一時的に復活してラストホズラッシュに参加! そして4位という好成績を残していきました。

凄い! オノノクス界隈の未来は彼に託されたと言っても過言ではないでしょう。
それと同時刻、もう一つのオンライン大会が開かれていました。
真皇杯オンライン予選B。
こちらに参加していたオノノクス界隈のカースト最下位に位置するボロ雑巾氏はこの日1勝5敗で予選敗退という無様な結果を晒していました。

特性:弱気

もう駄目だ。
オンラインA-finalとオンラインBの参加権を獲得し、これだけ試行回数があればどこかで本戦行きの権利を手に入れられると思ってた。
けど真皇杯はそんなに甘くなかった。
オペラさんやモブキャラさんほどの強者でも本戦権利獲得リーチというところで権利を逃す、それが真皇杯の厳しさ、一発勝負の難しさ。
最後に残されたのは1週間後のラストチャレンジのみ。
真皇杯本戦行きの切符を賭けた最後の大会、ラストチャレンジ。
開催地は関東、ここで権利を獲得すれば翌日の本戦にそのまま参加できる為、遠征勢にとっても一度の遠征で二日連続オフへの参加ができる設計になっている。
その為、この大会には各地から多くの参加者が集まる。
今年の参加人数は約170人。その中でベスト4以上が本戦出場権を得る。
正直勝ち上がれる気がしない。
オフでのベスト4以上の経験は何度かあっても、こんなに規模の大きい大会で上位に行ったことなんてない。
人数の少ないオンライン予選が狙い目だと思ってたのにそのチャンスを逃した今、もはや絶望しかない。
こうなったら気持ちを切り替えます。
オフを楽しもう! 真皇杯の本戦権利を賭けた最後の大会ではあるが、これも一つのオフ対戦会。
普段会えない他のポケ勢と会えるのを楽しみにしましょう。
ラスチャレで予選落ちした人集まってバトルロイヤルやろうぜってツイートしたら早速何人かが食いついてくれました。
これでもし負けても楽しみができた。
レイチェルさんがダ・カーポ3までプレイ済みのエリートダ・カーポ勢だとわかったので、当日はダ・カーポ4を布教する約束もした。
うんうん、対戦ばかりが全てじゃないよね。こういう交流もオフの楽しみですよ。
ラスチャレの楽しみが増えたところでポケモンの方も準備しましょう。
まずは構築、真皇杯の2ヶ月間構築を試行錯誤した結果、一番最初の形が一番強いという結論に戻ってきました。
最も使い慣れていて汎用性も高い並び。
今更他の構築を試す時間もない、一番信頼できるこの構築を持っていきましょう。それが一番後悔がない。
今までは直前で構築をいじって後悔することもあった。
真皇杯最後の戦い、自分なりの結論パを使って悔いのない戦いをしよう。
そして全力を出し切ったら、翌日の本戦は見学参加する。そう決めました。
本戦の見学申請をすることに今まで心理的抵抗がありましたが、もう気持ちの整理はついた。
人は誰だって宝くじが当たるような低い確率には現実味を感じられない。
同じように自分が本戦に行ける気は全くしない、それでも最後まで全力を出し切りたいと思います。
今年のラスチャレは一体誰が勝ち残るのか。この最後のチャンスで権利獲得できた人は滅茶苦茶嬉しいだろうな。
できれば知り合いが勝ち残ってくれれば本戦でも応援に行く楽しみが増える。
そんな風に思いながら見学申し込みをしました。
とはいえ最後まで全力を尽くすという言葉にも嘘はない。
ラスチャレまでの限られた日数、できるだけレートに潜って最後のトレーニングをします。
例えばレートで10戦やって7-3くらいであればオフでも予選ブロックを抜けられるだろうとか、そこら辺の勝ち数を意識して潜っていました。
ラスチャレ前日だけは休養日としてレートはやらない予定ですが、それより前は大体予選抜けできそうな勝率を維持できていました。
構築はもう決めた。立ち回りの練習も毎日欠かさない。残る課題は。
実は最近、自分の身の回りで心霊現象が多いのが気になってます。
一日一回ジャラランガノルマとかはまだ科学的に説明がつく範囲ですが、この前のオンライン予選Bで地震バシャーモ使い複数人と当たったのは心霊現象と呼ぶ以外に表現のしようがないと思うんですよ。
そうですね。構築やプレイングは努力でどうにかなっても心霊現象だけは人の力ではどうしようもない。
というわけで考えました。神社へ参拝してお守りを買ってこよう、と。
ラスチャレまで日が無かった為、平日の定時後に空いてる神社を調べ特攻。
摩利支天徳大寺にてお守りやブレスレットを買い込みました。

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一発勝負のオフ対戦で苦手構築と当たったらどうしようもない。
結局マッチングゲーであることには変わりないです。
苦手構築と当たるっていうのは悪霊の仕業なんですよ。心霊現象は神頼みで解決! 一生有利構築とだけ対戦させてくださいとお願いしておきました。
いや、冗談。普通にラスチャレで勝てるようにってお願いしておきました。
絵馬も書きたかったけど、この日は遅い時間で閉まってしまったので翌日にもう一度来ることに。
ラスチャレ前日、もう一度徳大寺に来て絵馬を書きました。

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願いはラスチャレ優勝。そして本戦も優勝。
ちゃんと誰の願いかわかるように名前も書いておきましたよ。真皇杯での僕の登録名、鷺澤有里栖Zってね。
しかし自分で書いておいてなんですが、笑っちゃうくらい現実味がない願いを書いたものです。
シングルバトルという運も択も構築相性も絡むゲームの大会でラスチャレと本戦の二日連続優勝なんて、とんでもなく都合のいい話ですよ。
でもこれでやるべきことはやった。
構築、立ち回り、運。全てにおいてできる努力はやり切った。
人事を尽くして天命を待つ、黒バスの緑間くんみたいなスタイル好きですよ。

ラスチャレ前夜

大会前日、この日はレートを休養日とした代わりにやるべきことがあります。
予選ブロックの組み合わせ発表。
東予選の時と同様、ラストチャレンジでも予選のブロック分けが前日発表されます。
まずは自分がオンバーンブロックであることを確認。見た感じ同ブロック内に知り合いはさいじょうさん一人だけ。
さいじょうさんについて僕が知ってることは前回のはねるオフにルージュラのコスプレをして参加し、ルージュラを使っていたこと。ママであること。
うーん、対戦において1ミリも役に立たなそうな情報ですね。
ルージュラとかあの日限りの一発ネタだろうし、流石にラスチャレで使うとは思えない。
真皇杯を勝ち抜く為に予習すべきポケモンランキングを作るとしたルージュラはかなり下位の方ですよ。
1位 クルマユ
2位 デリバード
3位 原種ガラガラ
4位 イワーク
5位 アローラナッシー
6位 ルージュラ

 

すいません、今の謎ランキングは忘れてください。
さて、他のメンバーは知らない名前ばかりなのでまずはツイッターを調べてみましょう。
オンライン予選の時と同じです。予習は大事。
ざっと調べたところ、うたちんさんという方の構築記事が見つかりました。

なるほどなるほど。
ランドロス始動でメガハッサムとZアーゴヨンで攻めていくランドアゴハッサムの並びに見える。
しかし実際の中身は大きく違う為、その先入観のまま戦うと計算を狂わせられることになる。
チョッキランドロスやスカーフアーゴヨンなどを採用したサイクルベースの構築か。
リザードンもかなり耐久に振ってるな。ステロ込みツルギの悪Zとかで落とせるのかなこれ?
色々な状況を想定してダメージ計算をしておきます。
このままの構築をラスチャレでも使う保証はないですが、各ポケモンの型についてはこういう可能性もあると知っておけただけでも予習した甲斐があったというもの。
恐らく何も知らずにこの人と対戦していたら自分はランドカビアゴという選出をした結果、想定外のチョッキランドロスに苦戦させられたことでしょう。
もしこの並びを変えずにラスチャレに持ってくるなら、ランドカビツルギの選出の方が良さそう。そう結論付けました。
相手の構築の予習については賛否あるでしょう。
僕自身の考えを述べさせてもらえばポケモンは知識ゲーです。
強者が書いた構築記事は多くのプレイヤーに影響を与え、それが環境を作ります。
今まで誰も使わなかったような型のポケモンが流行りだしたり、強い並びが確立されたり。
この並びに入ってるポケモンは大体こういう型だと決め打ちして動くのもポケモン知識だし、逆に違う型の可能性もあるから一点読みは危険だぞと判断するのもまたポケモン知識です。
このゲームで強くなりたければ知識を得ようと動くのは自然なこと。
少なくとも構築記事を公開しているものに関しては知っておかなければ勉強不足を恥じるべきとさえ思います。
しかしこの日オンバーンブロック内で構築記事を見つけられたのはうたちんさん一人のみ。予習できる範囲としてはこんなところか。
ここまで読んだ読者の方は一つの疑問を抱いたことでしょう。
対戦相手の予習をするのはいいけど、雑巾さんは自分が研究される可能性は考えないのかな? と。
しかし言った筈です。ラスチャレで勝つ為に全ての準備は済んでいると。
まず僕のツイッターのbioに「ポケモン始めて1か月の初心者です。シーズン17最低レート1370」と書いておきます。
そして1300代のレート画像を固定ツイートにしておく。これで完璧な初心者偽装構築ができました。

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フォロワー数3桁程度の僕の知名度なんて大したことないない。この初心者偽装構築を素直に信じる人は一定数いることでしょう。
オンバーンブロックに知り合いが少ないというのが活きましたね。(実際に効果があったかは不明)
ちなみにレート1300代の画像ですが、別にわざと負けたとかではなく、オンラインBでボロ負けした翌日、気分転換にある21プレイヤーの構築使ってたら普通に連敗して13に突入しました。
固定パ使いは自分の構築以外使うとクソザコになるって古事記にも書いてある。
画像が残っているのは1396のものですが、最低レート1370は本当に行きました。謎の10連敗ぐらいして。
レート詐称じゃないんで信じてください!
ところで僕は型バレを嫌って一時的に構築記事を非公開にするっていうのは自分の主義に反するんですよね。
やっぱりぽけっとふぁんくしょんに登録したりとか色々お世話になってるところにご迷惑をおかけするのも忍びないし、多くのポケ勢に参考にしてほしいと言って一度公開したものを非公開にするのって男らしくないと思うんですよ。
ただしツイッターからブログリンクを消すくらいは僕の主義的にセーフとします。
僕の記事を元々知ってた人なら普通にYahooでググればブログには辿り着けますし。
完璧な初心者偽装構築の為にブログリンク君には消えてもらう。
ブロック分け発表がラスチャレ前夜に行われることは知っていた。それを見越して数日前から初心者偽装構築を完成させておいたのです。
さて、あとは明日の荷物と服を準備して寝るだけ。
いや、まだやることがある。
僕の真皇杯での申請名は鷺澤有里栖Z、この名前を使うのはひょっとしたら明日のラスチャレが最後かもしれない。
ならば今ここで有里栖ちゃん可愛い成分を補給しておかなければラスチャレで勝つことなど不可能!
早速、ダ・カーポ4を起動。プレイを開始します。
これは非常に大事なことです。ラスチャレ前夜の貴重な時間、睡眠時間を削ってでもやる価値があることです。
ダ・カーポ4は既に全ルート完走済み。それでも他の積みゲーを差し置いてでも2周目をプレイする価値がある名作である。
いや有里栖ちゃんの可愛さを確認するためなら何週でもできる。ポケモン強くなりたければダ・カーポ4をやれと古事記にも書いてある。

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エッチなゲームではありません。健全な全年齢向け作品です。

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事後です(嘘)。健全な全年齢向け作品です。

いや、マジでラスチャレ前夜に日付変わるまで美少女ゲームやってるの。この人大丈夫かな。(過去の自分が心配になってくる)

ブロック予選

翌日、電車でラスチャレ会場に向かいます。
その間パーティの最終チェック。
とはいえ僕の構築は今まで長いこと使って来たメンバーです。今更問題なんて見つかる筈がない。
バトルツリーへ行ってレベル50の実数値を確認。
あれっ、アーゴヨンの調整変えたけど努力値余ってるじゃん。
やばい、会場につくまでに努力値振らないと。
しかしそこはバトルツリー、相手の分身あやぴかレジギガスに遅延プレイをされ電車乗り換えのタイミングになっても対戦が終わりません。
あー、これあれだ。大文字オフの朝に使おうとしてたロムがジュナイパーZ持ってなくて、慌ててハラさんに戦いを挑んだら旅パに格闘が一貫しまくっててレベル差あったのに辛勝だったていうエピソードを思い出した。
今日からレジギガスガチアンチになります!

 

ラスチャレの会場はスクエア荏原、めっちゃ広かったです。
スタッフがみんなユニフォーム来ててカッコいい。公式っぽい。
この雰囲気を味わえて良かった。
というわけでラスチャレ対よろです。

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予習していたうたちんさんは、見た感じ記事のままの構築でした。
選出はリザもランドも来なくて予想大外れでしたが、欠伸ループに巻き込んでゲッコウガを寝かせ、ツルギの起点にしてハッサムアゴを倒して辛くも勝利。
ゲコが最速起きでも無理だったし、ツルギの型が読まれなかったのも大きかった。
僕はランドカビオノアゴを何度も記事にしてるのでメイン4体の型が読まれる分にはしょうがない。(厳密にはオノノクスの技がシャドークロー→剣舞に変わってるけど)
だがカミツルギは完全に新顔なので初見の相手には読まれない。
カミツルギという型が豊富なポケモンの中で臆病というだけでマイナー型なのに、さら悪Zとかいうピンポイントな型は考慮しきれない場合が多いです。
一方僕からすれば臆病悪Zが刺さるパーティを仮想的として採用しているので、絶対に型変更が効かない枠ともいえます。
また格闘Zゲッコウガはタイマンならカビゴンに強いのかもしれないですが、一撃では落とせない。
こちらの構築は1対1で勝つことは重要視していないし、どの相手を削り、どの相手は倒しては駄目なのかを考えながら欠伸展開に持ち込むのが勝ち筋となる。
つまりカビゴンは一度でも行動できれば欠伸連打で十分な仕事ができると言えます。
カビゴンは弱点が格闘しかなく、メジャーな格闘技は殆どが物理。
ランドの威嚇を絡めればあらゆる相手に欠伸を入れられる行動保証がある。挑発を貰わない限りは事故りにくいのがランドカビの魅力です。
午前を勝ち越しで終え、はるかわさん達と昼飯ブロックで優勝。

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いよいよブロック予選も終盤に差し掛かります。
しかしブロック予選でギャロップ種族値が分らなくて悩む場面が来るとは思わなかった。ギャロップ選出されなかったからいいものの。
カミツルギとランドカビの利点について語ったところで今度は毒Zアーゴヨンの魅力を話しましょう。
毒Zアーゴヨンミミッキュに強いと思うんですよ。相手のZを消費させておけば。
5勝3敗で迎えた予選最終戦、らびっとさんとの試合を例にして説明します。
らびっとさんの選出はミミッキュカミツルギボーマンダ
こちらの選出はランドロスカビゴンアーゴヨン
この試合で相手はカミツルギがZを使いランドロスを倒してきました。
相手がZ技を消費した。この時点で勝ちのルートが見えました。
まずアーゴヨン死に出し大文字でカミツルギを倒す。ミミッキュのじゃれ影は耐えるのでヘドウェで皮を剥がして毒Zでミミッキュも処理。最後にマンダを流星群で落として勝利、と。
例えZ透かしで引かれても、ステロダメージが増えるのでその分相手はリスクを背負うことになります。
この試合もらった! これで6勝目! ブロック予選抜けに大きく近づける!
↑ここまで理想
↓ここから現実
先生! アーゴヨンくんが文字外して叩きで致命傷を負いました!
うそん、これじゃミミッキュの影打ち耐えないやん!
とにかくもう一回大文字を撃とう。相手はツルギを引っ込めミミッキュ投げ、皮が剥がれて火傷する。
いや、なんだこの試合。
ここはめっちゃカビゴンに引きたいな。でも相手もそれを読んでカビゴンにツルギを合わせて来るんじゃないか?
うーん、ツルギバック読み文字! 苦しい時こそ読みを通さんと勝てん!
あっ、ミミッキュ居座ってる。火傷影打ちを受けるもHP1で耐えた! こっちの文字も当たるけどやっぱり落ちない。
ここでカビゴンに引いて地震ミミッキュ処理。欠伸でツルギ眠らせて安全にアーゴヨンへ引ける場面作ってなんとか勝ち!
あー、怖かった。
この構築が勝てるかどうかはアーゴヨンランドロスの自覚次第なんですよね。
今日のランドロスはかなり自覚がある。逆にアーゴヨンはイマイチ信用できない感じだ。
まあまあ、人間もポケモンも調子のいい日・悪い日はありますよ。
とにかく6勝3敗で予選終了。
まだこの時点で他の人の試合は終わってませんし、6勝が3人並ぶ可能性もあるので油断できない。
しばらく待っていると他の試合の決着もつき始めました。
6勝がもう1人出て終了。3人目は無し。
みんな、ごめん。予選落ちしたらバトルロイヤルやろうって約束、守れそうにない。僕予選抜けちゃった。ツイッターでそう報告しました。
6勝しておいてホント良かった。5勝だと勝ち数並ぶ人めっちゃ多いもん。
6勝したもう一人はたみさん。僕との直接対決に勝ってるので1位抜け、僕は2位抜けです。
まあこの大会はシードとかなさそうだし、1位抜けでも2位抜けでもあんまり変わらないか。
ちなみにたみさんとの試合内容はこんな感じ。
たみさんの受け回し構築をオノノクスで崩しに行きましたが、初手からいきなりジャラランガランドロス対面ができました。
1ターン目は岩石封じを撃ち、相手はブレイジングソウルビート。とにかくS上昇は阻止した。
この時点で裏のオノノクスが上から殴れればジャラランガは処理できるのですが、問題はオノノクスが準速なのでどっちが速いかわからないこと。
ブレイジングソウルビートのダメージを見て電卓を叩く。どうやらダメージ量は臆病の最高乱数っぽい。
凄い悩む。これ普通に控え目のダメージ量なのか、臆病だけど相手が滅茶苦茶運が良かったのかわからない。
ランドロスの次の行動はもう一回封じを入れる必要があるのか、後の展開を考えてステロを撒くべきなのか。
悩んだ末、僕は決めました。これはきっと控え目だな。うんうん、臆病だったら運負け!
臆病でした→オノノクスは死にました→残ったのはカビゴン1体、ジャラの格闘技がインファだったのでPP枯らせないかと粘ってみたけど無理でした→負け!
何が言いたいかというと、今日のジャラランガノルマ達成ということです!
よし、これで決勝トーナメントでジャラランガと当たる可能性はもうない。
仮にたみさんと再戦するとしても決勝か3決のどちらか、そこまで行けば本戦出場権は獲得しているので気が楽です。
その後、他のブロックの試合が終わるまで暫く待ちます。
隣のジャラランガブロックからは指定暴力団しばえん組の組長がガチギレしてる声が聞こえてきて怖かったです。
ヤクザ怖い。
後から聞いた話だと、予選抜けを賭けた最終戦で凍ってなんとやらって話。

VS高木元哉さん

さて、決勝トーナメントへ進出。
あと3連勝すれば本選進出だし、1回負ければ全て終わりの正真正銘ラストチャレンジです。
いや、予選抜けたいとは思ってたけどマジでプレッシャーがヤバい。
今までオフの大会は楽しむことを第一に、気楽にやってきましたが流石にラストチャレンジとなると駄目だ。どうしたってプレッシャーから逃れられない。
ちなみに他のブロックではオペラさん、ティラミスぽけさん、ZEROさんが予選を抜けたそうです。
うーん、今更言うことは何もないな。魔法の言葉「マッチングしないことで対策とした」
決勝トーナメント1回戦の相手は高木元哉さん。
名前には見覚えがある。オンラインBに出てた人ですね。
シーズン16で2100を達成しており構築記事も書いている。
対戦するのは初めてですが、オンラインBの予習としてこの人の構築記事は何度も読みました。殆どのポケモンの型は頭に入っている。

バンギラス、カプ・テテフ、ウルガモス、ランドロス、ナットレイ、ギルガルド

まずは見せ合い。
相手のパーティは、バンギラス、テテフ、ウルガモスランドロスナットレイギルガルド
あれっ、このランドどういう型だっけ? 思い出せないな。(※元記事からギャラドスランドロスに変わってる枠でした)
しかしこの並びには悪Zカミツルギが刺さってる。選出はランドカビツルギで問題ない。
初手、こちらランドロス、相手はテテフ。
特性の威嚇が先に発動する。この時点で遅いテテフなのが判明。
構築記事ではスカーフテテフだった筈だが、なるほど。型を変えてくる、そういうこともあるわけだ。
地震を裏のランドに空かされるのも嫌なのでステロから、相手はサイキネで削ってくる。
ダメージ量的に火力アップアイテムなどもなさそう。
次は地震、相手はギルガルドに引いて地震を受け弱保発動。
なるほど、ここは影打ちで縛ってくる気か。カビゴンに引いて影打ちを透かします。
HBガルドの+2聖剣はカビゴンが耐える。ここは欠伸で様子を見る。
ガルドの聖剣を赤ゲージ耐え、木の実を食べて欠伸を入れます。
ちなみに試合中はずっと、弱保ガルド=HBという先入観と元記事でもHBだったこともあってHBだと誤認してましたが、地震の被ダメと聖剣の与ダメから見て明らかにHAでした。(試合後はるかわさんに言われて気付いた)
僕はダメージ感覚ガバイのでちゃんとダメ計はしましょう。反省。
それでも弱保聖剣は高乱数でカビゴンが耐えるので結果オーライ。
こちらは欠伸連打、相手は剣舞してガルドは寝る。
ここでカビゴンを倒せば裏の起点にされることを理解している。積み技でプレッシャーをかけてくるのはやはり上手いプレイヤーだ。
ギルガルドはA+4状態。最速起きを考えたらリサイクルは押せない、地震ギルガルドを倒します。
死に出しテテフが戻ってくる。サイキネをカビゴンが耐えて欠伸を入れる。
ここも素直に殴ってカビゴンを落とすとは思えない。そしてラス1も見えてないし、リサイクルを押します。
相手はテテフを引っ込めてバンギを出す。リサイクルでカビゴンのHPは6割くらいまで回復。
記事では挑発バンギだった。居座っては駄目だ。
ランドに引く。バンギはメガシンカし予想通り挑発が来る。
ここから地震じゃ落ちない。龍舞ケアで封じを押す。
ちなみに元記事のバンギは竜舞型ではないので諸説な一手ですが、型が変わってる可能性ケアするなら間違いではない。
ランドは封じ、バンギは噛み砕くでランドが落ちる。
死に出しカミツルギ。聖剣を打っても恐らく落ちない。
ここは剣舞するしかない。炎パン持ってたら負け。
ツルギでバンギ削ってカビゴンで詰めるルートはどう考えても勝てない。炎パンの可能性を切って剣舞するしかない。そもそも舞わないとテテフを落とせなさそう。
元記事では炎パン持ちではなかったことが果たしてどうか?
ツルギは剣舞を積み、バンギの行動は岩石封じ。
これはさっきランドが封じを打ったのが思わぬ形で活きました。
お互いにSマイナス1状態ならツルギが先に動ける。
ここで聖剣でバンギを倒してSブースト、素早さが元に戻ってテテフを上から殴れば勝ち。
テテフに引かれて聖剣を受けられた場合は? カビゴン捨てからツルギのSダウンリセットして勝てる筈。
ステロダメなどのスリップ込みで恐らく足りると考える。
実際にはここで聖剣が通り、死に出しテテフ。
遅いテテフだとしたらどれだけ耐久に振ってるかはわからない。リフブレよりわずかに威力の高い悪Zを切る。
ブラックホールイクリプスでテテフを倒して勝ちが決まりました。
なお、試合後はるかわさんからひと言。
「ツルギが剣舞したあとリフブレで良くないですか?」
うん、間違いない。バンギ居座りテテフ引きの両方に対してリフブレ安定だったね。

VSあざむきさん

トーナメント2回戦。相手はオンライン予選の主催者を務めたあざむきさん。
パーティはリザードンメタグロスカプ・レヒレカプ・テテフカバルドンジャローダ

リザードン、メタグロス、カプ・レヒレ、カプ・テテフ、カバルドン、ジャローダ

難しいなこれは。
本来であれば僕の構築はグロス軸への回答がカミツルギ。しかしジャローダがいるのが悩ましい。
ジャローダを上から殴り、蛇睨みを受けずに処理できるのはアーゴヨンしかいない。
勿論襷の可能性を潰す為に初手ランドでステロから。
選出はランドカビアゴに決まりました。
初手ランドリザ対面。
この対面はステロからの入りでいい。大体のリザは引いてくる。
ここで居座るリザは経験上鬼羽Xか、襷ランドを怯ませることで対策してるYくらい。
むしろ変に倒してステロが撒けない場面になる方が後々響く。
相手のリザードンはYにメガシンカし、上から行動し鬼火。
ランドは火傷し、ステロを撒く。
鬼羽のYかな? 恐らく居座る理由はない筈、カババックを読んでどくどくを押します。
リザは居座り放射。ランドの毒は外れる。次のターンの放射でランドは倒される。
カババックを読んだ毒なので、居座られたなら毒外しは全然勝敗に関係ない。
ここでカビゴンアーゴヨン、どちらから入るか考えます。
鬼羽リザYならアーゴヨンを一撃で落とす技はない筈。アーゴヨン死に出しで起点にできないかな。
相手のパーティは先制技要員がグロスのみ。メガ枠被りのグロスは選出されてないと考えるなら、HPが僅かでも残ってれば巧んだアーゴヨンで3タテ出来る可能性はある。
死に出しアーゴヨンで悪巧みを選択します。リザから飛んできた技はオーバーヒート!
流石にビビりました。これ鬼羽じゃない? アタッカーリザYに鬼火を刺しただけか?
しかし臆病リザYのオバヒは確定耐えだったのでHPはミリ残ります。
それでも予想外の被ダメ、もし裏にカバルドンがいた場合砂ダメ2回で倒されてしまう。
そこからは毒Zでリザを処理、裏はテテフレヒレだった為ヘドウェ2回で勝利。
はー、カバいなくてよかったー。

VSかなたさん

さあ、ついにここまできましたよ。
ベスト8。あと1勝で本戦出場。
本当にここまで来たのか。正直信じられない。
流石に緊張感がヤバい。この状況でプレッシャー感じない人とかいないでしょ?
僕なんかが本戦行けるとか全く現実味を感じられない。次の試合で絶対無理な構築引くとかいうオチじゃないのこれ?

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本音を言うと僕メッチャ弱気だよ。本戦リーチまで来てここまで弱気な参加者ほかにいないでしょマジで。
マジでマジでマジで勝てる気がしないから。
あっ、そうだ! ベスト8ってオンラインBの権利貰えるのかな?(錯乱)
準々決勝の相手はかなたさん、どんな構築を使うのか情報は全くありません。
見せ合い画面に移ります。

メタグロス。リザードン、化身ボルトロス、霊獣ランドロス、ポリゴン2、ミミッキュ

終わった。
今までさ、バシャーモが重いとかジャラランガが重いとか言ってきた。それでも立ち回りで何とかなる範囲でしたよ。
化身ボルトは駄目だ。マジでこれは無理!
いや、これはもう負けた時の言い訳できたよ。
あとでツイッターに書くから、ベスト8で負けました。本戦リーチまで行ってけど化身ボルトは無理でーすって。
諦めがついて、かえって気が楽になったよ。
とにかく選出を考えます。
化身ボルトは悪戯心電磁波(イタ電)でこちらのエースの足を奪い機能停止させてくる。
なら電磁波を避けるための引き先としてフシギバナを出すか? いやリザグロスが睨んでるのにフシギバナなんて出せない。
カビゴンをクッションに? 無理、地震ワンウェポンカビゴンは挑発を喰らって何もできない。
結局選出はグロス軸への基本選出、ランドカビツルギしかない。
ツルギがイタ電を喰らいながらもボルトを突破、裏から出てきたグロスの上は取れなくなるが実はアムハン持ってなくてツルギで勝てるとか。
あとは何かの間違いであのボルトが毒まも型とか、それくらいしか勝ち筋ないな。
勝ち筋は一応考えた。最後まで全力を尽くします。
初手、ランドとリザの対面。いつも通りステロを押す。
相手はXにメガシンカし鬼火、しかし外れる。
ランドより速い鬼羽Xなのはわかった。この外しは美味しい。
次のターン、リザは鬼火、ランドは毒。お互い状態異常をぶつけあう。
鬼羽リザはいつも通り毒で処理する。
その後ドラクロと地震で暫く打ち合った後、相手はランドに引いてきました。
このランドにも上から毒が入る。相手のランドは後攻で身代わり。
遅い身代わりランド。本来なら毒をもらいたく無かったろうにこの立ち回りということは。
この時点で相手のラス1も毒を避けることのできないポケモンだろうと察しがつきました。
毒の入ったランドにはカビゴン投げでいい。例えビルド持ちでも吹き飛ばせばいいだけ。
打ち落とすが飛んできたところでカビゴンを後投げ、吹き飛ばすとリザが戻ってくる。
カビゴンが鬼火を喰らうが、地震でリザを処理。
そしてラス1のポリ2が出てきます。
ポリ2の技は放電冷ビ自己再生。リサイクルカビゴンを突破できそうにない。
しかもカビゴンが火傷しているおかげで麻痺や凍りという事故もない。
本戦出場を賭けた大事な一戦。恐れていた化身ボルトはいないし、この試合かなり有利な展開に持っていけてる。
最後まで丁寧に立ち回ります。
ここは欲を言えばポリ2にもどくどくを入れたいが、その対面が作れそうにない。
それにランドの処理が優先です。ラス1に身代わりランドを残すのは非常に危険。
暫く吹き飛ばして毒とステロダメでランドを削ります。
ポリ2の技はあと一つがまだ見えていない。まだ負け筋は残っている。
毒ダメであと少しで落ちそうなランドロスに対し、こちらもランドを後投げ。
そして毒ダメージで相手のランドは倒れ、死に出しでポリ2が出てくる。
念願のランドポリ対面が作れた。
ここはどくどくを当ててくれ。本当にお願い。
この試合、リザとランドに毒を当て、いよいよ3回目。
毒を打つたびにお祈りしてたし、当てる度に自分のポケモンを誉めてた。
最後の一回、ここも毒が命中する。ポリ2の選択は身代わり。
見えてない最後の技は身代わりだった。この試合、毒を一回でも外してたら本当に危なかった。
身代わりポリ2をラス1に残していた場合はもうPPを枯らすしかない。カビゴンが火傷していたことを考えると、PP枯らしが成立していたかどうかも怪しい。
後はポリ2が毒で倒れるまでカビゴンを盾にするだけ。
ここで降参が選ばれました。
勝てた。これでベスト4、真皇杯本戦出場決定。
本当に嬉しかった。まさか最後の最後でここまで来れるとは思ってなかったです。
残りはあと2戦。

VSティラミスぽけさん

準決勝の相手は因縁深いティラミスぽけさん。
当たりたくないと言っていた相手ですが、本選進出が確定したベスト4で当たれたのは幸いです。
ティラミスぽけさんのパーティはボーマンダカバルドン、ラッキー、テッカグヤミミッキュ、ゲンガー。

ボーマンダ、カバルドン、ラッキー、テッカグヤ、ミミッキュ、ゲンガー

この並びは!
マンダカバラッキーカグヤ、この4体はティラミスぽけさんのいつもの固定メンバー。
残り2枠にミミッキュとゲンガーが入っている。これはかなりオペラさんの並びに酷似している。
オペラさんリスペクトのパーティか? 中身がどこまで同じなのかは不明。
まずは選出を考えます。
カバラッキーマンダカグヤ、関東のポケ勢である以上この並びと当たる可能性は常に意識していた。
この手の受け回しはオノノクスで崩せる。初見の相手ならそれでいい。
考えなければいけないのは、ティラミスぽけさんとは以前オンラインA1で対戦した時、オノノクスで無双してこちらが勝ってるということ。
ちなみに僕自身、その試合のことは東北予選で直接言われるまで忘れてましたが。
オノノクスの初見殺しは通用しない。警戒されている可能性がある。
オンラインA1では僕が勝ち、東北予選では彼が勝ち、1勝1敗で迎える3戦目。
ティラミスぽけさんの並びは受け性能と対面性能を両立した構築。この構築に勝つには選出択を読み当てる必要がある。
東北予選で見たオペラさんの試合はゲンミミカグヤの選出を大分信頼してるように見えた。
ティラミスぽけさんがどこまでオペラさんの戦い方を取り込んでいるのかは不明ですが。
うん、相手の選出はゲンミミカグヤと読もう。
オノノクスはラッキーカグヤの受け回しには強くても、ミミッキュが絡むとZ透かし択が発生して難しくなる。
ゲンミミカグヤに対して一番強い選出はランドカビアゴ。この選出に決定します。
試合開始。こちらの先発はランドロス、ティラミスぽけさんが繰り出すのはボーマンダ
あっ、ボーマンダさん。こんちはっす!
おい、話が違うぞ! メガ枠はゲンガーが来るはずじゃなかったのか!?
これはマズイ。
初手マンダ、裏にはアゴ受けの駒がいるということ。つまりラッキーがいる。
引き先がいる以上、アゴでマンダを倒すことはできない。
ならマンダの処理ルートは? 毒ステロ吹き飛ばし等のスリップダメージで削り倒すしかない。
ここはどくどくを選択します。
威嚇の発動順から見て素早さはマンダの方が上、身代わりを持ってる可能性も高い。
マンダに毒を入れるのはほぼ願望プレイに近い、それを理解していてもやるしかない。それくらいキツイ。
選出を読み外した時点で9割負けてるくらい不利な試合、願望プレイを通さないと勝てない。
相手はマンダを引っ込めカグヤを投げてきました。毒は当然無効。
まあやっぱりカグヤはいるよね。
その後、試合は交代戦になります。
相手のラス1は予想通りラッキー。
相手はラッキーでステロを撒き、こちらはランドでステロを撒く。
しかしこちらには回復ソース持ちがカビゴンしかいない以上、長期戦になればジリ貧なのは明らか。
ラッキーの突破手段はアゴが悪巧みを積みまくってZで飛ばすしかない。
しかしそんなに積んでる間に電磁波を貰うことになる。アゴが麻痺した時点でマンダの突破手段がなくなる。
どう考えても選出段階で詰んでる。
マンダラッキーカグヤとわかっていれば他に突破手段はいくらでもあった。しかし後悔しても選出択である以上仕方ない。
ここからの勝ち筋は豪運を発揮し、アーゴヨンが電磁波を無限に避け続けるしかないです。
しかし現実はそんなに甘くない、一度は電磁波を避けたものの二度目は喰らってしまいます。
アゴの毒Zでラッキーを突破、しかしその代償として麻痺してしまい相手はマンダを死に出し。
アーゴヨンは素早さが一段階ブーストしてますが、麻痺している以上マンダの方が速いのは明らか。もうマンダを倒す手段がない。
勝ち筋はもはやひとつも見えない。それでも最後まで足掻きたい。
なにか勝ち筋はないかと探し続けたい。その為にまだ戦う。
マンダとカグヤを倒すためにアーゴヨンは絶対に失えない。ここはカビゴンへ交代。
しかしマンダの捨て身2発でカビゴンも倒されてしまいます。
こちらはランドロスを死に出し。
マンダの体力はまだ身代わり1回は貼れそうなくらい残ってる。羽休めもある。
何かの間違いで毒が通ってくれ、そう願うも相手の選択は身代わり、毒は透かされてしまう。
次のターン、ランドは岩石封じを撃ちますが身代わりは壊せない。
その間にマンダは羽休めで体力確保します。
竜舞を持ってないのだけは救いだけど、そろそろ降参ボタンを押す選択肢がチラついてきた。
もうどうしようもない。岩石封じを連打するしかやることがない。
それでも、後から振り返ってみればこの試合こそが一番大事な試合だったと思います。
この試合、勝っても負けても翌日の本戦出場は決まってる。
しかし前日、神社で絵馬に書いた願いは何だったか。
ラスチャレ優勝、本戦も優勝、そう書いた筈。
願いを叶える為に自分は最善の努力を尽くす。だから神様に見守っていて欲しい。
神に願うとはそういう意味だ。
ラスチャレ優勝という願いはまだ果たされていない。ここで諦めるような人間を神様は絶対に応援してくれない。
ここで諦めていたら、きっと翌日の本戦だって勝てなかったに違いない。
勝ち筋ゼロだとわかった試合を既に30ターン以上粘り続けてきた。0を1にする方法を探して足掻いてきた。
しかし状況は一向に変わらない。ここも岩石封じを押すしかない。
マンダの捨て身タックルがランドに入り、返しの岩石がマンダに当たる。
それでも勝ち目は見えない。次のターン、カグヤに引かれて負けとしか思えない。
もはや岩石封じを押すしかやることがない。2度目の岩石がマンダに入り、マンダは捨て身タックルでランドを倒す。
それは全く予想してない展開だった。
こちらが最後に残ったポケモンアーゴヨン
岩石封じが2回入ったマンダと麻痺したアーゴヨンの対面ができた。
この状況なら素早さはアーゴヨンの方が上。
封じのダメージと捨て身反動でマンダの体力はステロ圏内、裏に引くことはできない。
前のターン、マンダが裏に引いて素早さダウンをリセットされたら絶対にマンダを倒すことは出来なかった。
ここでティラミスさんもミスに気づいたという顔をする。
ここはヘドロウェーブを選択、アーゴヨンは麻痺を掻い潜り、ヘドウェでマンダを倒す。
相手の最後の一体はテッカグヤ。HPは残り半分程度。
感覚的には大文字で倒せる体力に見える。
いや、ここは一度落ち着こう。
手元の電卓に手を伸ばします。
今日の予選ブロックで似たような状況があった。
アゴの文字を相手のカグヤに耐えられ、ピンチベリーを発動させてしまった。
ここは文字で落とせないなら巧みから入った方が太い可能性だってある。
2ヶ月前の関東予選から始まって、今日のこの日がある。
あの日、ごごちゃさんに負けた試合をずっと忘れずにここまでやって来た。
択の場面で十分なダメ計もせず即決してしまった、自分の未熟さの全てが詰まった敗北。
強くなりたい、本戦に出場したい、その一念で今日まで自分を鍛えてきた。
ティラミスさんのカグヤの調整はわからない。ただ東北予選でオペラさんが使ってた調整なら真皇杯のホームページで見て知ってる。
あれと同じ調整と仮定するならD実数値140くらい。ひとまずそれで計算。
恐らく大文字で落ちそうという計算結果が出た。
可能性はある。
アーゴヨンは度重なるステロダメージで消耗し、残HPは95。ここからヘビボンを耐えるかもわからない。
勝負に出るしかない。大文字を選択。
アーゴヨンは、体が痺れて動けない!
カグヤのヘビーボンバーを喰らい、HP5でギリギリ耐える。
次が正真正銘のラストターン。
祈りながら大文字を選択。
アーゴヨンが動く、大文字を放ちテッカグヤに命中する。
HPバーが減っていき、ゼロになった。
勝った。こんな勝ち方があるなんて思ってなかった。
諦めなかったから勝てた。
めちゃくちゃ嬉しい、嬉しいんだけど、内容的には完封敗けの酷い試合だった。
試合後にティラミスさんが言ってました。
この試合、配信卓じゃなくて良かったと。
全くもって同感です。

VSくりぷとんさん

東予選の翌日に出たはねるオフ。
その日は4位という成績を収め、二次会を楽しんだ後、帰宅。
そしてツイッターを開き、こう呟きました。またどこかのオフで優勝したいな、と。
それがまさかラスチャレでチャンスが回ってくるとは思ってませんでした。
去年の10月にバトンオフで優勝して以来。一年ぶりのオフ優勝、それが目前に迫っている。
勝ちたい。ここまできたら優勝したい。心の底からそう思います。
勝戦の相手はくりぷとんさん。

ランドロス、カビゴン、アーゴヨン、ゲッコウガ、カミツルギ、クチート

パーティはランドロスカビゴンアーゴヨンゲッコウガカミツルギクチート
なんと! 僕のパーティと4体被りです。
好感度の高い並びだ。これは対戦が終わったらツイッターを聞いてフォローせねば。
そういえばバトンで優勝した時の決勝の相手は大統領だっけ。
あの時はランドカビアゴの3体被りだったことを思い出すと何とも不思議な因果を感じますね。
選出を考えます。
クチートが重いのでフシギバナで受けたい。でもアーゴヨンの起点にされるので駄目。
地震バナなら出せたけど、今日は地震持ってないので出せない。
また相手のカミツルギの処理を考えるとエースは自然とアーゴヨンになる。
選出はランドカビアゴ、これしかない。
クチートも少し削ればアゴの文字圏内に入るし、剣舞させないように立ち回ればいい。
これで対戦開始です。
初手はお互いにランドランド対面ができる。
僕のランドロスは同速を考慮しなくていい調整をしている。威嚇の発動順でおおよそ相手のランドの型がわかる。
こちらが先に威嚇発動したので遅いランドだと判断。
耐久振りのランドか? ここは毒とステロのどっちを先に打つべきか?
毒を打った場合、後攻蜻蛉で襷が潰されゲッコウガ降臨。ステロを撒けない。そういう展開もありえる。
ただゲッコウガカビゴンで受ければ良くて、相手がカビゴンの処理に叩きとか毒を持ったランドを出してきたら、またランドにランドを投げる。
そこでステロを撒くチャンスもある。
ここは相手のランドへの削りを優先したい。アゴの一貫を作る為にはそれが重要。
こちらはどくどくを選択、相手のランドに毒が入り、相手はステロを撒く。
次はこちらステロ、相手は叩き落す。襷が叩かれこちらの型がバレる。
次のターン、封じで削りを入れると相手は後攻蜻蛉でアーゴヨンに変えてきた。
ここは流星か竜Zか、どっちにしろランドが落とされる。
カビゴンに引いてもいい。ここで交代読み悪巧みは流石に押せないと思う。
こちらのランド残しはベターな選択ではあるがマストではない。相手視点ランド捨ての可能性を切っていい理由はないので悪巧みは絶対押せない筈。
ここは相手を信頼してカビゴンバック、アーゴヨンは流星群を打ってくる。
事前にダメ計をして知っていたとはいえ、ステロ+流星でいい感じにカビゴンは木の実を食べてくれた。これで相手のランドの叩きが怖くなくなる。
C2段階ダウンしたアーゴヨンは次のターン引いてくるだろう。ランドが戻ってくるかまだ見ぬ3体目が見れるか。
ランドが戻ってくるなら欠伸も地震もどっちを打っても同じだが。
とりあえずここは欠伸を選択、予想通り相手はランドに引いて来た。毒状態のランドに欠伸は無意味。
次は地震で削られる可能性も考えてリサイクルを押しておきます。
相手のランドは蜻蛉を打って交代、3体目のカビゴンが場に出てくる。
こちらはリサイクルで木の実回収。
こっちのラス1アーゴヨンはまだ見せていない。相手は3体割れて選出はランドカビアゴと完全に被ってる。
ここはお互いに欠伸打って、次のターン両交代になる未来が見える。
なんというか、似た系統の並びを使ってるだけあって試合展開がめっちゃ読みやすい。
予想通り、次のターンはお互い欠伸。
アーゴヨンの相手をする為、こちらはカビゴンを寝かせるわけにはいかない。
引くしかないのだがどっちに引くか?
アーゴヨンランドロスの対面ができればアーゴヨン有利、アゴアゴ対面は同速勝負かカビバック、またはカビバック読んで巧みかの択になる。
つまりアーゴヨンを出せば、勝ちかあいこのどちらかしかない。アゴに引くのが安定ですね。
こちらはアーゴヨンを繰り出し、相手はランドに引いてくる。
さっきとは逆の対面。さっきは相手視点悪巧みは押せないと読んだが、立場逆転した今それはこちらも同じ。
悪巧みは押せないのでランド落とす為の攻撃を選ぶしかない。
相手のランドのHPは半分以下ですが、ヘドウェで落ちるのか怪しい。毒Zは裏のカビゴン考えたら温存したい。
文字と流星のどっちでも落とせそうなので命中の高い流星を選択。Cダウンはこの場面そこまで響かないと思う。
相手はランド居座り、流星が命中してランドを倒す。
そして死に出しでカビゴンが戻ってくる。
Cダウンしたアーゴヨンを居座らせるのもリスクしかないし、ここはランドに引く。
ステロ欠伸が完成したら、もう仕事が終わってるランドロスを寝かせることは決まっていた。
ランドに引くと相手のカビゴンは欠伸。
さて、次のターンの行動はどうするか。
こちらのランドが毒を持っているのは相手も知ってる。毒を打たれるのを嫌ってアゴ投げの可能性がないとは言い切れない。
毒を顎に空かされる。ランドは寝る。相手はノーリスクで悪巧みが打てる。
という負け筋は潰さないといけない。つまりここはアゴ引きをケアする地震しか押せない。
カビゴンに居座られたならランドが寝た後、また択勝負になるだけ。
次のターン、相手の選択はアーゴヨンバック。
それを見てほっとした。
カビゴンに居座られて更なる択勝負になる可能性も覚悟していただけに、予想以上に早く決着がついてくれた。
ランドの地震アーゴヨンを倒す。
こちらの控えはアーゴヨンカビゴンが健在、場には眠ったランドロス
相手の残りはカビゴン一体。技は欠伸以外見えていないが、恐らく欠伸リサイクル2ウェポン又は欠伸リサイクル吹き飛ばしワンウェポンなにかってところでしょう。
最後までウェポンは見えなかったが、ここで降参が選ばれました。
これで優勝!
滅茶苦茶嬉しいし、この日は充実していました。
ラスチャレ優勝。
これであの絵馬に書いた願いの片方が叶った。
もう一つの願い、本戦優勝もひょっとしたら、そんな風に思い始めました。

終わりに

真皇杯が始まってから2ヶ月、各地の予選で負け続け心が折れた状態で臨んだラストチャレンジ。
ここで本戦出場権を獲得できるとは夢にも思いませんでした。
僕が何故ラスチャレで勝てたのか?
その答えはあちこちの予選に参加したことで試行回数を稼ぎ、最後に上振れを掴んだ、とかそんなつまらない回答にはしたくないです。
ラスチャレ優勝という結果を出した立場として、過度に自分を卑下したり謙遜した表現を使うべきではないとは理解しています。
それをわかった上で敢えて言います。2ヶ月前、関東予選に参加した時の自分は弱かった。
電卓ダメ計を辛うじて覚えた程度で実戦では全然使えていなかった。
毎ターンの思考時間を全然活用できていなかった。即決癖が酷く、一手一手熟考できていなかった。
相手と対面で戦うオフの試合において、感情が表に出やすく行動が読まれやすかった。
構築もブレていたし、悪いところを挙げればキリがないです。
それらの自分の課題を理解し、克服しようと足掻いた2ヶ月間でした。
真皇杯の期間中、ずっとこの大会に向き合い、強くなることを目指してきました。
負け確定の試合でも粘る努力をし、勝ち負け以上のものを得ようとした。
勝ち試合も負け試合も全てから得たものがあり、全てに意味があったからこそ自分は強くなることができた。
もし、何かの幸運でラスチャレよりも早く本戦出場権を得られたとしたら、今の自分はなかったでしょう。
ラスチャレまでの遠回りがあったからこそ成長できた。そう思います。
構築は一周回って最初の並びに戻ってきましたが、色々試したことだって無駄じゃない。
そしていよいよ本戦出場。夢だった全国の舞台に立つことができました。
次回からは真皇杯・本戦を振り返っていきます。

 

本戦ポ二ブロック編へ続く