エース構築論から見るZoukingパの解説

前回の記事

前回書いた構築記事はポケモンの調整意図だけ簡単に触れて、細かい解説は長くなるので後日別記事にしようと考えていました。
構築の中身をどこまで言語化できるかは不明ですが、今回は真皇杯で準優勝したZoukingパの仕組みについて解説していきたいと思います。
また構築が今の形になる過程で試したポケモンなどの裏話は真皇杯の振り返り記事の方にも書いてるので併せて読んでみてください。

f:id:zouking:20191009214644j:plain積みエース、天候エース、トリルエース、バトンエース、こう言ったサポート+エースで全抜きする構築を本記事ではエース構築と呼ぶことにします。
シングルバトルでは3体のポケモンを選出して戦う為、選出パターンをシングルエース選出とダブルエース選出に分類できます。
雨パを例に解説しましょう。

ニョロトノメガラグラージキングドラ

雨始動のニョロトノ、雨エースのキングドラメガラグラージ
この3体を並べるのがダブルエース選出。

ペリッパーメガラグラージナットレイ
雨始動のペリッパー、雨エースのメガラグラージ、そのラグラージが苦手とする相手に投げるクッション枠のナットレイ
こういう選出がシングルエース選出ですね。
他の天候やトリル、バトンや積み構築でも同様に分類できるでしょう。
次にそれぞれの特徴。

 

ダブルエース選出の特徴

  • 攻め駒が2体いるので、エースを雑に扱ってもいい
  • 2体のエースの役割集中で相手の受け駒をゴリ押し突破できる
  • クッション枠がいない為、交代戦があまりできない

シングルエース選出の特徴

  • 1体のエースを大事に扱わないといけない
  • クッション枠がいるため交代戦ができ、サイクルの中で相手を削ってエースの一貫を作る戦い方ができる

そもそもサイクル戦というのは試合が長引くほど、対戦相手の性格やポケモンの型が掴める為、勝ち筋を見通しやすく択の発生する場面でも判断材料を多く持っている為ギャンブルになりにくく、早い話が自分はサイクル戦が肌に合ってるということ。(オタク特有の早口)

 

パーティ構築は6体で完結する為、残りの枠に採用されるポケモンを考えていきます。
これも2パターンあると思います。
表エースが通せない時の為に裏エースを用意するケース。
天候パの場合、2天候構築や天候と関係ないメガポケモンを裏エースにするケースもあるでしょう。
もう一つのパターンとして、サイクルパーツを増やすケースがあります。
シングルエース選出にはクッション枠がいる為、そのクッション枠と補完に優れたサイクルパーツを採用すればエースを選出せずともサイクル戦で勝負できます。

 

ここまでの前提を踏まえて僕の構築内の役割を見ていきます。

ランドロス

ランドロス……ステロ撒き場作り枠

カビゴン

カビゴン……クッション枠

オノノクス

オノノクス……エース枠

アーゴヨン
アーゴヨン……エース枠

カミツルギ
カミツルギ……エース枠

フシギバナ

フシキバナ……サイクルパーツ

 

改めて見ると歪な構築だなあと。
エース枠が3体居ますが、全てZ枠です。
つまりエース枠が多いくせにシングルエース選出に特化し、ダブルエース選出をほぼ考慮しない組み方になってます。
カビゴンが腐りそうなキツイ受け回しに対しては例外的にZ被りのダブルエース選出をすることはありますが、受けが成立しないので綱渡りな立ち回りになりがちです。
逆に言えばランドカビ+Z枠というシングルエース選出を殆どの試合でしてます。
そしてサイクルパーツはフシキバナだけと少ないです。
サイクル選出をする際の対応範囲が狭いのでフシギバナを出せない試合が多いです。
ラスチャレでの選出0回、本戦1回。メガ枠とは?
まあ選出誘導力は優秀なのと、ごく稀に他の5体で対処できない相手に刺さってくれるので、色々試した挙げ句やっぱこの枠バナしかないわってなるところです。
たまにランドバナ+Z枠という対面寄りの選出もするし。
(言うまでもなくサイクル参加できるポケモンが増えればフシギバナはもっと活躍できるのですが、今の構築だと補完枠の立場になってます)
人によってはもっとサイクル寄りのランドカビだったりもするので、エース枠を増やすかサイクルパーツを増やすか、それによってどんな選出パターンを組むのか結構人それぞれ独自の世界観があります。

 

この構築の勝ち筋はランドカビで場作り、吹き飛ばしで相手の選出確認や欠伸による安全なエースの着地、サイクルの中でスリップダメージで削るor積み技によってエースの一貫を作って勝つこと。

 

どのエースを通すか?
まず基本選出ランドカビアゴ、多くの構築はアーゴヨンが受からないので一度有利対面を作れば、ゲームの主導権を握れます。
アーゴヨンに対して相手はスカーフ枠を後投げしてくることが多いですが、こちらにはカビゴンという受け駒がいる為、1サイクル目で相手のスカーフ枠を確認した後、2サイクル目で交代読みの技を押すこともできます。

バンギラスヒードラン

相手のパーティにバンギラスヒードランがいて、アーゴヨンの一貫を作れない時。
カミツルギをエースにしましょう。大体通ります。

バンギラスヒードランモロバレルテッカグヤ

さらにモロバレルテッカグヤがいて、アーゴヨンカミツルギも通らない時。
この手の受け回しは剣舞オノノクスで崩しましょう。

バンギラスヒードランモロバレルテッカグヤカプ・レヒレ

さらにレヒレも加わった、オノノクスも止められてしまう。
ここまで来るとフシキバナが刺さります。厳密にはランドバナカビサイクルでなんとかなる。

 

Q.その他、受け回し+高速アタッカーのようなキツイ並びは?
A.相手も3体して連れてこれないので、選出択を読み当てて勝ちましょう。

 

選出の考え方としてはこんな感じです。
マンダ軸にはアゴを通す、グロス軸やガルーラ軸にはツルギを通す。
ただし邪魔なポケモンが一緒にいた場合、別のエースを通すルートを考える等々。
メジャーな並びに対してどの3体を選出するか決まってるので選出は機械的なところが多いです。
代わりに試合中の立ち回りは考えることが多い、そんな構築となっています。

 

オノアゴ構築わりと満足した感あるし、新しい構築組みたいね。